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生活と考察の記録

「生活保護Q&A」を廃止していた群馬県

群馬県生活保護行政の各種問題

都道府県や政令指定都市では運用事例集を作成しています。桐生市生活保護行政の問題が報道されてから、生活保護をホームページで全く周知していない自治体があったり、警察OBを就労支援員として配置している自治体が桐生市以外にもあったり報道されています。

 

さて、群馬県桐生市生活保護行政の問題の中で分割支給に関して通知を発出したそうです、

 

今はこの通知の存在は皆が把握しているでしょう。しかし、人事異動で職員が入れ替わった時にある時に1度だけ発出された通知がどれほど福祉事務所で共有されつづけるだろうか。群馬県生活保護行政の歴史に様々な事件を刻み続けること、忘却に抗うことが必要だと思います。

 

都道府県と政令指定都市では生活保護の運用事例集といって、国からの通知ではわかりづらい点の運用の在り方を示すものを出しています。

wedge.ismedia.jp

上述のブログでも引用されている大山典弘氏の論文によると群馬県も「生活保護Q&A(実施要領篇)」という物を出しているようです。そこに分割支給がどう書かれているかの確認と今回の通知の内容を反映させるよう要望を出すべく情報提供依頼のメールをしました。

 

運用事例集を廃止した群馬県

群馬県の地域福祉課からのメールを以下に引用します。

【御依頼】
 下記の生活保護関係の情報の提供をお願いする。
  ・生活保護Q &A(実施要領編)
  ・各福祉事務所宛の生活保護運用にかかる通知集
 
【回答】
 生活保護Q&A(実施要領編)について、生活保護法令・実施要領・別冊問答等の処理基準に基づき事務を行うことが原則であるとの考えから、平成31年3月に廃止しており、現在はございません。
 また本県では、各福祉事務所生活保護運用にかかる通知集のようなものもございません。
なんと・・・。
群馬県の運用事例集か通知集に今回発出した分割支給の通知を載せてほしいと要望する側にとっても対応する側に簡単な要望を個人として出そうと思っていたのですが…。
運用事例集は県内の福祉事務所を支援する意味合いもあります。運用事例集があることによってより適正な運用が図られます。熊本市の運用事例集では厚労省に電話照会をした内容も載せています。今ここで困っているケースワーカーがいるならば、他にも同事案で困っているケースワーカーがいるかもしれないし、未来のケースワーカーも困っているかもしれません。群馬県からは県内福祉事務所を支援していこうという意志を全く感じられません(ちなみに別冊問答集の法的位置づけは「技術的助言」であり、「処理基準」ではありませんので群馬県のメールの内容は法的に誤りです)。